名古屋の派遣会社事情

実はブラック企業!?名古屋を代表する「トヨタ自動車」の派遣事情

「名古屋」といえば、大手自動車メーカー「トヨタ自動車」のお膝元として有名ですよね。最近は国内に留まらず、世界中から注目を集めるグローバル企業へと成長。ニュース番組やドキュメンタリー番組にも度々登場し、日本のビジネスを担う大御所ともいえます。しかし、そんなトヨタ自動車には以前から“ブラック企業ではないか”という噂がまことしやかに囁かれており、リーマンショック後に行われた27000人以上の非正規雇用者を切り捨てたとして、問題視されるように。今回は、名古屋を代表する「トヨタ自動車」の派遣事情についてご紹介します。

リーマンショック後に「大量首切り」

一見、クリーンな印象をもつ「トヨタ自動車」ですが、リーマンショックの影響を受け、2008年1月には9000人いた期間工のうち7800人を解雇。9月には1200人削減し、子会社であるトヨタ九州も、1900人の派遣労働者の首切りを断行しています。主なグループ会社だけでも、デンソー(2700人)、アイシン精機(4420人)、豊田自動織機(2245人)、トヨタ紡織(1500人)と容赦なく人材の切り捨てを行いました。「大量首切り」となった非正規雇用者は全部で27000人。人材を切り捨てたにもかかわらず、トヨタ自動車は新型プリウスの発売を決定。さらなる儲けを求め、下請会社にもコストダウンを要求。これまで非正規雇用者で成り立っていたライン生産を半ば強制的に正社員に一任し、臨時出勤や残業で酷使させ、プリウスの生産を何とか間に合わせていたそうです。トヨタ自動車が「主力選手」を切り捨てたことで、結果として自らの首を絞めることに。

派遣社員が恐れる「3年ルール」

トヨタ自動車の派遣社員は、一定の場所に定着せず、複数の工場間での異動を度々命じられるそうです。なぜ、そこまで異動を繰り返す必要があるのでしょうか。大きな要因としては「労働者派遣法」が挙げられます。労働者派遣法では、安易な正社員の代替として派遣社員が利用されるのを未然に防ぐため、専門的な業務(26)を除く職種を対象に派遣期間が「3年」と決められています。3年働いた派遣社員に対しては、企業が直接雇用を申し出る必要が出てくるのです。つまり、トヨタ自動車はこの3年ルールを利用して、人材を思うがままに扱い、人件費を抑えているということ。はなっから非正規雇用者を直接雇用する気はないというわけです。本来は派遣社員のために制定された法律にもかかわらず、企業が得をするかたちに。トヨタ自動車に限らず、多くの大手企業がこの3年ルールを利用し、人材の切り捨てを頻繁に行うようになっていたため、近年では社会問題になっています。そんな影響もあってか、最近では非正規雇用者を対象とする「正社員化」が定着しはじめてきているとか。

派遣社員400人を正社員に!?

2011年には、一般職にあたる「業務職」の採用を再開したトヨタ自動車。それまでも、140人~230人程度の人材を採用していましたが、2010年には一旦打ち切りに。今回は、すでにトヨタ自動車で働く派遣社員(事務職)400人を対象とし、正社員化を行いました。コストを抑えるため、一度は採用を打ち切りにしたものの、期間工と同じく、結局は人材不足に悩まされることに。派遣社員は業務内容が限られてしまいますが、正社員ともなると広範囲の仕事をカバーできるようになるため、業務職の正社員化を実現したそうです。

「トヨタ自動車の派遣事情」いかがでしたか?グローバル企業にも“いろいろな”事情があるということが伺えました。非正規雇用で働いていく場合は、“万が一”に備えて準備を進めておいた方がいいのかもしれませんね。

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